Column

2025年6月25日

リビング階段採用する?しない?

こんにちは。MOCLAS竹本です。

今回の家づくりコラムは

リビング階段にする?しない?


です。

近年、断熱など住宅性能の向上で、空間設計の自由度が高くなり、多様なリビング階段のプランが生まれています。
選択肢が多いからこそ、自分たちの暮らしに合った、理想のリビング階段を実現したいものですね。


私もこのお仕事に携わるまで知らなかったのですが、住宅建築で、階段や廊下をどう配置するかは、実は重要なポイントの一つです。
(階段の位置で外観や間取りがガラっと変わる場合があります)


まずは、リビング階段とはそもそもどういうものなのか、ホール階段との違いについてご説明します。






リビング階段とは?

“リビング階段”とは、リビングの中に設置された階段のことです。




最近の住まいは、リビング・ダイニング・キッチンが一体になったLDKの間取りが多いので、LDKの中にある階段といっても良いでしょう。

「廊下を通らず上下階を行き来でき、移動がスムーズ」

「リビングを通る際に家族の他の人と接する機会が増える」

「廊下のスペースを削れるため、他のスペースを広くできる」

などの特徴があります。

階段の側面が開放されてリビングとつながっているタイプや、スケルトン階段で完全にオープンになっているタイプのほか、階段の出入り口のみがリビングに開いているタイプなど、バリエーション豊富です。

機能性とデザイン性の両面に魅力があるのが、人気の理由かもしれません。

また、リビング階段は吹き抜けと相性が良く、高い天井が生み出す開放感がより一層強調されます。
リビングと一体で大きな吹き抜けにすれば、手すりのデザインや照明の光のあて方などで、おしゃれなインテリアを実現することもできるでしょう。




ホール階段とは?

玄関ホールや廊下に設置された階段を“ホール階段”と呼びます。




リビングなどの部屋を経由せず、上下階をつなぐ独立した動線を確保できるのが特徴で、以前はこちらが主流でした。

リビング階段は居室スペースと移動のための通路スペースを兼用できますが、ホール階段は移動のときしか使わない廊下や階段のスペースが必要になり、その分全体の施工面積が増えます。

一方で、ホール階段は来客時のプライバシーに配慮しやすく、帰宅時に玄関から違う階へすぐアクセスできるといった利点があります。

では次に、機能性とデザイン性の両面からリビング階段のメリットを詳しく見ていきましょう。



リビング階段のメリット

①玄関ホールや廊下スペースを小さくできる

リビング階段なら、ホール階段で必要になる廊下のスペースを削ることができ、施工面積を減らして建築工事費を節約できます。

同じ費用をかけるなら、その分でリビングを広くしたり、収納やワークスペースを設けたりすることも可能ですね。



②家族のコミュニケーションを促進する

リビング階段にするとリビングを通る機会が増えるので、自然とコミュニケーションが取りやすくなります。

1階にリビング・ダイニング・キッチンがあり、2階に寝室や子ども部屋がある間取りなら、外出時に「行ってらっしゃい」、帰宅時に「お帰りなさい」と、顔を合わせて会話がしやすいですね。

お子さんの小さな変化に気づきやすく様子を把握できることが、子育て世帯に人気です。


③デザイン性が高まる

上下階がつながるリビング階段は、開放感を生み出すだけでなく、リビングの空間全体に変化を与えることができます。

例えば、木質感を活かした踏板と手すりのある階段や、金属の骨組みとガラスの踏板からできたスケルトン階段など、素材やカラーの違い、配置の仕方によって、インテリアの雰囲気が大きく変わります。

また、吹抜け階段にすると空間に開放感が増すだけでなく、光を取り込む高窓を設ければ、採光もとれ明るい居室になります。




④動線がスムーズになる

リビング階段は、ドアを開け閉めして廊下に出て階段へ移動する必要がなく、動線がスムーズになります。

違うフロアにある子ども部屋に、リビングやダイニングから直接声をかけやすく、食事のときに部屋の前まで呼びに行かずに済むかもしれません。家族一緒の食事もスムーズに始められますね。


⑤階段下などスペースの活用幅が広がる

廊下と接するホール階段の場合は、階段下を収納やトイレにすることが多いですが、リビング階段は居室スペース内にあるため、より多様な用途で階段下を活用することができます。

すぐに片付けができるリビング収納にしたり、棚を造作してワークスペースやヌックにしたりとスペースの活用の幅が広がります。

また、リビング階段途中の踊り場を広げてスキップフロアとし、書斎や子どもの学習コーナーにするといった活用方法も可能です。






以上のようにリビング階段にはいろいろなメリットがありますが、注意したいポイントもあります。

実際に暮らしてから気づくのではなく、あらかじめ対策をしておくことで不要な後悔をせずに済むかもしれません。注意したいポイントについて見てみましょう。


リビング階段のデメリット


①冷暖房効率が下がる

近年、住宅全体の断熱性・気密性が大幅に向上したことで、上下階の空間がつながるリビング階段の住宅が増加しています。

しかし、高さの異なる連続した空間があると、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ集まるため、どうしても冷暖房効率が低下する傾向があります。
例えば、1階をLDKとする間取りを採用した場合、夏場の冷房は1階に冷気が集まるので問題がなくても、冬場の暖房はリビング階段から2階へ暖気が移動することで効きが悪くなり、寒さを感じることがあります。

その場合は、建具やロールスクリーンをつけて暖気が上がっていくのを防ぐ方法もあります。



②音やにおいが別の階に広がる

リビング階段により上下階がつながることで、開放感のある暮らしができる一方、不要なことまで他の階に伝わってしまうことがあります。

子ども部屋で勉強したり、書斎で仕事をしたりしているときに、リビングからテレビや会話の音が聞こえてくると集中の妨げになることもあるでしょう。

また、1階にLDKがある場合は、キッチンで料理しているにおいが上の階へと広がっていくこともあります。大したことでないと思っていても、毎日だとストレスになる方もいらっしゃるかもしれませんね。


③来客時の対策が必要となる


リビング階段では、来客時に普段の家庭の様子が丸見えになってしまいます。

階段を利用するときはリビングを通る必要があるため、部屋着でくつろぐ姿を見られたり、リビング周辺の片付けが間に合わないと、そのままの状態でお客さまをお迎えすることもあるでしょう。

また、来客時に子どもが恥ずかしがったりして、リビングを通りづらくなることも考えられます。

リビング階段の住まいでは、家族のプライバシーへの配慮と、来客への対策が必要になります。


④お子様やペットが転落する危険性が高まる

すぐにアクセスできるリビング階段は、小さなお子様がいる場合は注意が必要です。
例えば、ハイハイを始めた頃の赤ちゃんにとって、階段の段差は格好の遊び場になる可能性があり危険です。また、小学生くらいまでは、不注意で転落する事故が起きることもあります。


スケルトン階段の場合は、踏板の段差からも落ちる可能性もあり、特に危険度が高くなります。さらに室内でペットを飼っている場合も同様に、事故対策を怠らないようにすることです。

まとめ

いかがでしたか?

リビングやキッチンなどと比べて、階段に明確なイメージを持っている人は多くないかもしれませんが、リビング階段、ホール階段それぞれのメリットを考慮して、家族構成やご家族のライフスタイルに適した階段を住まいづくりに取り入れましょう。


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